これに対してファラデーは直感的に以下のように考えた。 何らかの原因(例えば点電荷Aが存在すること)によって、 空間の状態が変化する。その変化した空間に 点電荷B(プローブ電荷)置くとその電荷には 力が作用する。すなわち、電荷Bはこの空間の変化を 感知する。このように変化した空間=「電場」と言う。 このような考え方を「近接作用」の考え方と言う。
電場を定量的に表すために仮想的なプローブ電荷を用いる。
そのプローブ電荷を
ある位置
においた時、力
を受けるとその位置に
おける「電場の強さ」(あるいは、単に電場)を
と表す。
静的な現象を扱う限りは遠隔作用的な考え方でも、近接作用的な考え方 でも、同様に現象を扱うことができる。しかしながら、動的な現象では 原因の変化に対して、結果には遅れが生じる。例えば、ある点電荷が動くと 別の点電荷に及ぼされる力が変化するような場合である。 そのような遅れを考える ためには、力が空間を伝わるという近接作用的な考え方の方が自然である。