素粒子物理学とは

素粒子物理学とは、物質の最小構成単位である素粒子の性質や素粒子間の相互作用を、加速器実験や宇宙観測、理論的探求にもとづいて探求する学問分野です。素粒子物理学の研究分野は加速器実験や宇宙観測によって未知の素粒子を探索する実験分野と、量子論と相対論などを用いて素粒子の存在や性質を予言、解析する理論分野に大別されます。この2つの分野は相補的役割を果たしており、理論の予言を実験が証明し、逆に実験で見つかった素粒子の性質を理論が説明することで、日々自然の究極の姿に迫っています。これまで、物質を構成するクォークやレプトン、これらの素粒子にはたらく力を媒介する光子、ウィークボゾン、グルーオン、そして光子とグルーオンをのぞく全ての素粒子に質量を与えるヒッグス粒子が発見されています。

素粒子物理学には、物質と反物質の間の非対称性の問題や、宇宙の大部分を占めるダークマター(暗黒物質)の存在など、未解決の問題が数多く残されています。これらの謎を解明するため、近畿大学 理工学部 理学科 物理学コースでは、粒子を実際に高速で衝突させることで素粒子物理を探る加速器実験による研究(素粒子実験研究室)、観測された素粒子の種類や性質を理論的に探求する研究(素粒子現象論研究室)、素粒子を記述する理論に着目しその理論自体を調べることで素粒子のより深い理解を目指す研究(場の量子論・素粒子論研究室)など、 ユニークで先駆的な研究が進められています。