物性物理学とは

物性物理学とは、マクロな物質の性質(物性)を、ミクロな粒子の性質やふるまいに基づいて探究する物理学の一分野です。素粒子物理学や宇宙物理学以外の物理学分野の総称とも言え、最も研究者が多い物理学分野です。物質は、莫大な数の原子や分子が集合(凝縮)したもので、その環境と凝縮の仕方によって、その物性が決まります。そのため,物性物理学は凝縮体物理学と呼ばれることもあります。例えば固体には電気を流す導体や、電気を流さない絶縁体があり、また低温で電気抵抗がゼロになる超伝導体もあります。これらは固体中で規則正しく配列した原子の中の無限と言って良いぐらい多数の電子のふるまいによって理解されます。物性物理学は化学や生命科学などの他の学問領域とも密接につながっており、生命現象を物理的に解明する生物物理学も物性物理学の一分野と言えます。また、トランジスタやダイオードなどの半導体素子の発明など工学とも深く関係しており、最近では、量子コンピュータや量子シミュレータのような未来の技術の開発に対しても活発な研究が行われています。また、素粒子物理学や宇宙物理学の間で、アイデアの交換も盛んに行われています。非常に多岐にわたる物性物理学では、ちょっとしたアイデアによって新しい発見ができるチャンスがあります。皆さんも物性物理学の研究で、自然科学の歴史に名を残してみませんか。

近畿大学 理工学部 理学科 物理学コースで物性物理学の研究を行っている研究室は、量子制御研究室ソフトマター物理学研究室物性理論研究室、量量子多体物理学研究室固体電子物理学研究室です。研究内容の簡単な紹介はこのページをご覧ください。