宇宙物理学とは

宇宙物理学とは、星や銀河など様々な天体が織りなす現象やその性質、また全体としての宇宙の性質を、天文観測で得た知見を元に、物理学の考え方や手法を用いて探求する学問分野です。星やブラックホール、銀河などの天体やそれらの間にただようガスやちりの性質を研究する分野は天体物理学と呼ばれており、ガスやちりからどのように天体が生まれ育ってきたのか、どのような現象を起こすのか様々な物理学の考え方や手法を用いて解明します。全体としての宇宙の性質を研究する分野は宇宙論と呼ばれており、宇宙の歴史や未来、宇宙をつくる物質やエネルギー、宇宙のひろがりや形、宇宙を記述する物理法則などについて研究します。宇宙物理学は他の物理学分野(素粒子、物性、生物)のみならず、化学や情報科学などとも密接な関係を持ち、これまでに多くの知見が得られています。しかし、21世紀においても宇宙の大部分を占めるダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー、ブラックホールの正体、星や銀河の進化プロセスなどは謎のベールに包まれています。

近畿大学 理工学部 理学科 物理学コースでは、これらの謎を解明するため、望遠鏡を用いた観測的宇宙論の研究(宇宙論研究室)、人工衛星に搭載する装置の開発(高エネルギー天体物理学研究室)、宇宙論やブラックホールの理論的研究(一般相対論・宇宙論研究室)など様々なユニークな研究が進められています。