SEMINAR

LHC物理の紹介と新物理探索の現状

講演日:2019.07.26 (Fri)

  • 素粒子

講演者

川村淳一郎 (オハイオ州立大学)

講演内容

本講演では、素粒子標準模型及び、その超対称性による拡張について紹介する。標準模型は2012年のLHC実験によるヒッグス粒子の発見によって完成したといえる。しかし、ヒッグス粒子自身の性質を見ていくと、質量項の量子論的不安定性、質量の起源が説明できない、といった問題点がある。このような問題点は、超対称性という新たな対称性を導入することで解決でき、最小限に拡張した模型をMSSM(Minimal Supersymmetric Standard Model)と呼ぶ。MSSMではヒッグス粒子の問題が解決されているほか、宇宙論の大きな謎である暗黒物質の候補となる素粒子が自然に導入される。本講演では、この暗黒物質の性質や、近年のLHC実験の結果を踏まえたMSSMの現状について解説する。最新のLHC実験結果の示唆する超対称性粒子が重い場合について、ヒッグス粒子の性質を自然に説明する非一様ゲージーノ質量シナリオについて紹介し、その発見シグナルについても解説する

開始時間及び場所

7月26日(金)10:45 ~ 12:15 近畿大学東大阪キャンパス 31号館, 501教室