SEMINAR

相分離する高分子材料

講演日:2017.02.10 (Fri)

講演者

本田隆氏(日本ゼオン株式会社 総合開発センター基盤技術研究所)

講演内容

異種の高分子同志は、高分子であるがゆえにエントロピーの効果が小さく、異種の低分子同志と異なり、自発的に混ざることはまれであると考えてよい。本セミナーでは、高分子の混合の基礎的な考え方をFlory-Hugginsの理論を利用して説明し、次に企業が開発している熱可塑性エラストマーを例に、高分子混合材料が複雑な相分離構造を形成していることを説明する。また、計算に利用したOCTAシステムの概要と簡単な利用方法(Flory-Hugginsの理論を利用した相図作成プログラム)をデモすると共に、高分子のSCF法を利用して計算したブロックポリマーのミクロ相分離構造やA/Bブレンドポリマーがスピノーダル分解して2相に分離する動力学の例を紹介する。

本田隆先生はゼオン総合開発センター基盤技術研究所で高分子の研究をされてきました。現在、高分子学会高分子計算機科学研究会の運営委員会委員長。経済産業省産学連携プロジェクト・通称 土井(正男)プロジェクトのメンバーとして、ソフトマテリアルに対する統合的なシミュレータ 「OCTA」を開発されました。特に密度汎関数理論を用いたシミュレーション・プログラムOCTA/SUSHIの開発者として有名です。近年は、並列計算によるGPU(東工大スパコンTSUBAME)、京(理化学研究所スパコン)利用など、高度な計算科学研究の先頭に立って研究されています。(堂寺)

堂寺知成(理学科物理学コース・ソフトマター物理学研究室)
dotera@phys.kindai.ac.jp
荒井規允(機械工学科・計算熱工学研究室)
arai@mech.kindai.ac.jp

開始時間及び場所

日時:2月10日(金)15時00分~16時00分 (入門)
           16時15分~17時15分 (研究)
場所:近畿大学理工学部31号館601室