next up previous contents
: 問題2.4.4 : 導体 : 問題2.4.3   目次

境界値問題

電荷の分布$\rho(\vec{r})$が与えられている場合に電場を求めるには この電荷密度に対してポアソン方程式を解けばよい。しかし、導体が存在 すると、その表面の電荷密度は表面の電位を一定にするように決定される。 言い換えると、与えられた電荷密度と導体の表面で値が一定(境界値が一定) という条件の下でポアソン方程式を解く必要がある。このような問題を境界値 問題と言う。

境界値問題には以下のような重ね合わせの原理が成り立つ。真空中に導体1,2が 置かれている。無限遠における電位を0として、導体1の電位を$\phi_1$、導体2 の電位を0としたときの境界値問題の解を $\phi_1(\vec{r})$とする。同様に 導体1の電位を0、導体2の電位を$\phi_2$としたときの境界値問題の解を $\phi_2(\vec{r})$とする。導体1,2の電位がそれぞれ$\phi_1,\phi_2$の 場合の境界値問題の解は

$\displaystyle \phi(\vec{r})$ $\textstyle =$ $\displaystyle \phi_1(\vec{r})+ \phi_2(\vec{r})$ (2.45)

となる。なぜならば、$\phi(\vec{r})$は真空中でラプラス方程式を満たす。 一方、導体1の表面では $\phi_1(\vec{r}) + \phi_2(\vec{r}) = \phi_1 +0$ なので、$\phi(\vec{r})$は境界条件を満たす。導体2の表面上でも同様である。 境界値問題の解は一つしかないから、これが求める解になる。





Administrator 平成25年7月6日