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: 問題1.4.1 : ベクトルに対する微積分 : ガウスの定理   目次

ストークスの定理

あるベクトル$\vec{v}$が与えられているとき、 $\vec{\nabla}\times \vec{v}$を考える。 これを ${\rm rot} \vec{v}$と表記することもある。

\begin{eqnarray*}
\oint_C \vec{v} \cdot d\vec{s}
= \int_S (\vec{\nabla}\times \vec{v}) \cdot d\vec{S}
\end{eqnarray*}

の式が成り立つ。 ここで、$C$は空間中の閉曲線で、$S$は閉曲線$C$を縁とする 曲面である。閉曲線のある点$\vec{r}$における接線ベクトル $\vec{t}(\vec{r})$を導入して、 $\vec{t}(\vec{r})ds=d\vec{s}$と 書いている。上の式を「ストークスの定理」と言う。

この定理は次のようにして証明される。 図1.9のように微小な長方形PQRSを考える。この長方形は流体の 流れにさらされている。その流速を$\vec{v}$とする。 この長方形に沿って $\vec{v} \cdot d\vec{s}$を計算すると、

図 1.9: ストークスの定理(a)
\includegraphics[width=5cm]{fig8a.eps}

\begin{eqnarray*}
\begin{array}{cccc}
&\displaystyle \oint_{PQRS} \vec{v} \cdot ...
...) dy dx &&\\
=&(\vec{\nabla}\times \vec{v})_z  dS&&
\end{array}\end{eqnarray*}

となる。

次に閉曲線$C$とそれを縁とするような曲面$S$を考える。 図 1.10参照。 この曲面を微小面積に分割して

\begin{eqnarray*}
\int_S (\vec{\nabla}\times \vec{v} )\cdot d\vec{S}
\end{eqnarray*}

を求めよう。これは、上の議論を用いて 微小面積のすべての縁について $\vec{v} \cdot d\vec{s}$を計算しその総和を求めることに よっても得られる。しかしながら、 隣り合う微小面積の間でキャンセルする部分があるので、 結局閉曲線$C$に沿って $\vec{v} \cdot d\vec{s}$を計算したもの、 すなわち、 $\oint_C \vec{v} \cdot d\vec{s}$と等しい。

図 1.10: ストークスの定理(b)
\includegraphics[width=7cm]{fig8a1.eps}





Administrator 平成25年7月6日