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: 問題3.5.5 : 導体中の電磁波 : 導体中の電磁波   目次

問題3.5.4

問題3.5.3で取り扱った物質を考える。
  1. それぞれの 色における屈折率を求めよ。 また、それぞれの光の物質中の光速を求めよ。
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    赤い光と青い光の速度差は、 $7.8 \times 10^6$[m/s]である。

  2. まず、 青い光のパルスを1 ns、そして続いて 赤い光のパルスを1 nsの時間だけ、厚さ2 mの この物質に入射した。色と強度を無視して出てくる 光のおおよその継続時間を求めよ。

  3. まず、 赤い光のパルスを1 ns、そして続いて 青い光のパルスを1 nsの時間だけ、厚さ2 mの この物質に入射した。色と強度を無視して出てくる 光のおおよその継続時間を求めよ。

ここで考えた原理を応用して、極超短パルス光が作られている。

===== 解答 =====

  1. 屈折率は、 $n=\sqrt{\varepsilon/\varepsilon_0}$だから、赤い光の屈折率は2.17、 青い光の屈折率は2.30になる。一方光速は、真空の光速を屈折率で割れば良い から、それぞれ、 $1.381\times 10^{8}$[m/s]、 $1.303\times 10^{8}$[m/s]になる。

    赤い光と青い光の速度差は、 $7.8 \times 10^6$[m/s]である。

  2. 赤い光と青い光がこの物質を通過するために必要な時間はそれぞれ、 $2/1.382\times 10^8= 14.48\times 10^{-9}$[s]、 $2/1.303\times 10^8= 15.35\times 10^{-9}$[s]である。

    青い光を入射した時刻を$t=0$として、赤い光と青い光が出てくる時刻は それぞれ1+14.48$\sim$1+14.48+1[ns]、15.35$\sim$15.35+1[ns]になる。

    結局光が出ている時間は、15.35$\sim$16.48[ns] となり、その継続時間は 約1.1[ns]になる。

  3. 赤い光を入射した時刻を$t=0$として、赤い光と青い光が出てくる時刻は それぞれ14.48$\sim$14.48+1[ns]、1+15.35$\sim$1+15.35+1[ns]になる。

    結局光が出始めてから出終るまでの時間は、14.48$\sim$17.35[ns] となり、 その間の時間は約2.9[ns]になる。

ここで考えた原理を応用して、極超短パルス光が作られている。



Administrator 平成25年7月6日