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: オペアンプの伝達関数 : オペアンプ : 理想オペアンプ   目次

増幅回路

オペアンプを使った最も基本的な回路は以下の二つである。

図 10.6: 基本増幅回路
\includegraphics[width=7cm]{opamp_2.eps}

反転増幅器では、+側の入力を基準電圧(0 V)に固定し、入力電圧$V_I$を、抵抗 $R_1$を通して$-$側の入力へつなぐ。そしてその$-$側の入力は、抵抗$R_2$を通し て出力につながれている。無限大の増幅率Aを持っているので、$V_{\rm O}$が 有限であるためには、$V_+ - V_- = 0$10.5すなわち、ここでは$V_- = 0$でなけれ ばならない。$R_1,R_2$とオペアンプの$-$入力が繋がっている点に入る向きの 電流を正とすると、$R_1,R_2$に流れる電流$I_1, I_2$はそれぞれ、

\begin{displaymath}I_1 = \frac{V_{\rm I}-0}{R_1}, I_2=\frac{V_{\rm O} -0}{R_2}\end{displaymath}

である。 また、$-$入力には電流は流れ込まないから、$I_1+I_2=0$でなければならない。 従って、

\begin{displaymath}V_{\rm O} = - \frac{R_2}{R_1}V_{\rm I}\end{displaymath}

となる。$R_2$は出力から入力に信号を戻す役割を果たしているので、帰還抵抗 と呼ばれる。

非反転増幅器も同様に考えることができる。まず、有限の出力を得るためには $-$側の入力は+側の入力と同じになる。従って、

\begin{displaymath}I_1 = \frac{0-V_{\rm I}}{R_1}, I_2 = \frac{V_{\rm O}-V_{\rm
I}}{R_2}\end{displaymath}

また、$-$入力には電流は流れ込まないから、$I_1+I_2=0$でなければならない。 よって、

\begin{displaymath}V_{\rm O} = \frac{R_1 + R_2}{R_1}V_{\rm I}\end{displaymath}

となる。出力と入力の符号が等しいことに注意。



Administrator 平成25年1月3日