限りなく近づくという曖昧な表現を避けて、
論法を用いて収
束を定義する。
数列がある一定の値
に収束するとは
とできることである。ただし、は自然数の集合である1.1。
数学の記号を使わずに表現すると「どんなに小さな正の数であっても、 その
に対して番号
を十分大きく定めれば、
よ り大きい番号
に対する
は
から
ほども離れない 範囲に全部入るようにすることができる」となる。数学的な表現の簡潔さに注意。
物理学では数列ではなく関数を考える場合が多い。その場合に使えるように極限 の概念を拡張しよう。
を実関数 、
を実数とした場合、
であるとは、
とできることである。ただし、は実数の集合である。
物理学ではほとんどの場合、いろいろな物理量を表す関数は収束する。別の言い 方をすれば、そのような場合しか大学の初年度では考えない。