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: 電磁誘導の法則の微分形 : 電磁誘導 : 運動の相対性   目次

電磁誘導とローレンツ力

一様なz方向の磁場$(0,0,B)$中に垂直に長方形の回路を置く。 その一辺AB(長さ$\ell$)を早さ$v$でx方向に動かす時を考える。 導線には自由電子が 存在し、それにはローレンツ力が作用する。このローレンツ力 によって自由電子はy方向に動かされ、Bの方にたまる。この荷電粒子の 分布の不均衡によってA$\rightarrow$Bの向きの電界$E$が生じる。 この電界による電子に作用する力とローレンツ力が 打ち消しあうと電子の移動はとまる。

図 3.1: ローレンツ力による起電力。
\includegraphics[width=8cm]{fig81.eps}

すなわち、

\begin{eqnarray*}
E \cdot (-e)= \frac{V_{\rm A} - V_{\rm B}}{\ell} \cdot (-e)
= v B \cdot (-e)
\end{eqnarray*}

となる。 このように辺ABを動かす時に、 仮想的な電界$E'$が生じその電界によって自由電子が 動いたと考えることもできる。 その仮想的な電界によるAB間の電圧は $=v B \ell$である。すなわち、 「導線を動かすことによって、起電力が生じる」と考えること ができる。この起電力の原因はミクロに見ると自由電子に 作用するローレンツ力である。

この場合に閉回路に生じる起電力は$vB\ell$であり、$v\ell = dS/dt$$S$は閉 回路の面積)なので、式3.1が成り立っている。



Administrator 平成25年7月6日