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静電ポテンシャルとベクトル・ポテンシャル

静電場 $\vec{E}(\vec{r})$ $\vec{E}(\vec{r}) = -\vec{\nabla}\phi(\vec{r})$のように 静電ポテンシャル$\phi(\vec{r})$によって表すことが可能である。 このように表すことができるのは、 $\vec{\nabla}\times \vec{E}(\vec{r}) = \vec{0}$ であることによっている2.3。静電場を計算する場合、静電ポテン シャルをまず求めて、それから電場を計算する方が便利な場合が多い。

同様なことが静磁場にもある。ただし、静磁場の基本法則は

$\displaystyle \vec{\nabla}\cdot\vec{B}(\vec{r})$ $\textstyle =$ $\displaystyle 0$ (2.79)
$\displaystyle \vec{\nabla}\times \vec{B}(\vec{r})$ $\textstyle =$ $\displaystyle \mu_0   \vec{i}(\vec{r})$ (2.80)

である。電流があると渦なしの条件が崩れ、ポテンシャルを定義することが出来 なくなる。そこで、
$\displaystyle \vec{B}(\vec{r}) = \vec{\nabla}\times \vec{A}(\vec{r})$     (2.81)

を考える。このように表すと式 2.79は自動的に 満たされるので2.4、 式 2.80のみを考えれば良いことになる。ただし、この時点では $\vec{A}(\vec{r})$が存在は証明されていない。



Administrator 平成25年7月6日