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: 伝達関数 : ラプラス変換 : たたみ込み(コンボリュージョン)と合成法則   目次

重ね合わせの原理

時間変化する入力に対するある時刻$t$の出力は、様々な時刻$t=\tau$に起った インパルス入力 $u(t)\delta(t-\tau)$に対する応答 $y_\delta(t-\tau)$を すべて加算したもの(線形性の現れ)と考えることができる。数式で表わすと、
$\displaystyle \int_0^t u(\tau)y_\delta(t-\tau)d\tau$     (9.11)

となる。積分が時刻$\tau = 0$から始まり$t$で終わるのは、未来の事象は現在に 影響を及ぼさないという因果律を表わしている。 $y_\delta(t-\tau)$$t-\tau$$\tau $という時刻の入力の影響を考えていることを表している。

このように、入力$u(t)$に対する出力$y(t)$は、 瞬間瞬間の入力とインパルス応答$y_\delta(t)$ の 「たたみこみ」 $y_\delta*u$になっている。 これがデュアメルの重畳定理である。

\begin{displaymath}\mathcal{L}\left( y_\delta(t)\right)\mathcal{L}\left( u(t)\right) =
\mathcal{L}\left( (u*y_\delta)(t)\right)\end{displaymath}

だから、 $ \mathcal{L}\left( y_\delta(t)\right)$を求めることが重要になる。



Administrator 平成25年1月3日