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: 基本法則I : オームの法則 : オームの法則   目次

抵抗率

電気抵抗の値$R$は導体の種類による他、その長さや断面積、 さらに測定温度にも依存する。 長さ$L$(単位はm)、断面積$S$(単位はm$^2$)の一様な物質の 温度$T$(単位はK)における電気抵抗$R(T)$(単位は$\Omega$)は
$\displaystyle R(T) = \rho(T) \frac{L}{S}$     (5.2)

で表される。$\rho(T)$は抵抗率(または比抵抗)と呼ばれ、 物質に固有な量である。また、その単位は$\Omega\cdot$m である。 比抵抗$\rho(T)$は室温付近では近似的に
$\displaystyle \rho(T) =\rho(T_0)\{1+\alpha(T-T_0)\}$     (5.3)

で表せる。ここで$\alpha$は抵抗の温度係数と呼ばれる。$T_0$は 室温付近の任意の温度である。

金属がこのような温度依存性を示すことは、 伝導電子のフォノンによる散乱によって理解することができる。 ここでは、フォノンによる散乱に線形性5.1を仮定しているので、 オームの法則に線形性5.2が現れている。 詳細は、

http://www.phys.kindai.ac.jp/users/kondo
にある固体物理の講義ノートを参照のこと。



Administrator 平成25年1月3日