: 同調回路による信号の増強
: 地球磁場による核磁気共鳴(NMR)装置
: 計算のための物理定数
目次
コイルの直径
と長さ
のコイルを考える。コイルの体積
は
である。水の質量は1モル当たり
kgであり、1 m
の水は
1000 kg、また水1分子中に2個の水素原子が存在するから、 水素原子のモル密度
となる。従って、考えているコイルの中に水を入
れた場合、コイルの中に存在する水素原子のモル数
は
となる。
まず、温度
で、
の磁束密度に対応した地球磁場よりも十分強い磁場
の下で水の水素原子を磁化する。この強い磁場を急に切ると、この磁化は
地球磁場の下での歳差運動を行う。このときに得られる信号の大きさを
推定する。
強い磁場の下での
水素原子1個が持つ磁気モーメント
は
となる。これはボルツマン分布を仮定して計算している。水素原子に由来する
試料の全磁化
は
となる。試料の断面を貫く磁束
は
となる。磁化は歳差運動を行うので、試料の周囲に巻かれた1巻きコイルに
電圧
が誘起される。その値は、
となる。
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平成25年1月3日