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: 基本演算 : ベクトルの基礎 : ベクトルの基礎   目次

3次元ベクトル

3次元空間中の位置、力、速度、加速度などを表すために必要な3次元ベクトル について復習しよう。

1.3のような直交した3つの軸に平行な3つの単位ベクトル $\vec{i},\vec{j},\vec{k}$によって、 任意の3次元ベクトルが

$\displaystyle \vec{a} = a_x \vec{i} + a_y \vec{j} + a_z \vec{k}$     (1.1)

と表されることは良く理解していることであろう1.2

図 1.3: 3次元ベクトル
\includegraphics[width=6cm]{vector.eps}

$\vec{i},\vec{j},\vec{k}$をそれぞれ右手の 人差指、中指、親指に対応させるとき右手系の座標系を選んだと言う。 $\vec{i},\vec{j},\vec{k}$を数の組で

\begin{eqnarray*}
\vec{i} = \left(\begin{array}{c}1 \ 0 \ 0\end{array}\right),...
... 
\vec{k} = \left(\begin{array}{c}0 \ 0 \ 1\end{array}\right)
\end{eqnarray*}

と表すならば、ベクトル$\vec{a}$

\begin{displaymath}\left(\begin{array}{c}a_x \ a_y \ a_z \end{array}\right)
=  ^T\!(a_x, a_y, a_z)\end{displaymath}

と表すことができ、ベクトルの成分表示と言う。ベクトルをこのように表現する と線形代数を用いて様々なベクトルの計算を行うことができて便利である。 なお、 $^T(a_x, a_y, a_z)$$^T$は行列の転置(行と列を入れ替えること)す ることを意味する。明らかな場合は転置の記号を省略することもあるので注意す ること。

ベクトル$\vec{a}$が位置ベクトルならば$a_x, a_y, a_z$は長さの次 元を持つ量であるし、力を表すベクトルならば各成分は力の次元を持つ量である。 ベクトルの大きさは

$\displaystyle \vert\vec{a}\vert = \sqrt{a_x^2+a_y^2+a_z^2}$     (1.2)

によって表される。

物理ではある物理量に対してよく使われる記号がある。 例えば、位置ベクトルに対しては$\vec{r}$、力に対しては$\vec{F}$、速度に対 しては$\vec{v}$などである。また、ベクトル量とスカラー量を明確に区別する ためにベクトルには必ず矢印 $\vec{}$ を用いる。



Administrator 平成25年7月6日