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: 問題2.5.4 : 導体中の電流の分布 : 導体中の電流の分布   目次

問題2.5.3

内径と外径がそれぞれ$R_1, R_2$、高さが$L$の金属製の円筒を同軸上に 配置し、その間を電気伝導度$\sigma$の電解質溶液で満たす。内外の円筒を 電極として電流$I$を流した場合の電気抵抗を以下の手順に従って求めよ。
  1. 対称性から電流がどのように流れるか考察し、中心から距離$r$の位置で の電流密度を求めよ。
  2. オームの法則を適用して、各点における電場を求めよ。
  3. 電場を積分することによって、電位差を求めよ。
  4. 電位差と電流から抵抗を求めよ。

===== 解答 =====

  1. 電流は放射状に流れ、その強さは中心からの距離$r$のみの関数となる。 全電流は一定だから、電流密度の大きさは $i(r) = I/(2 \pi r L)$とな る。
  2. オームの法則により、 $E(r) = i(r)/\sigma$となる。
  3. 電位差は、

    \begin{eqnarray*}
\Delta \phi &=& \int_{R_1}^{R_2} E(r)dr \\
&=& \frac{I}{2 \pi...
...
&=& \frac{I}{2 \pi L \sigma} \log\left( \frac{R_2}{R_1}\right)
\end{eqnarray*}

    となる。

  4. \begin{eqnarray*}
R = \Delta \phi /I
= \frac{1}{2 \pi L \sigma} \log\left(\frac{R_2}{R_1}\right)
\end{eqnarray*}



Administrator 平成25年7月6日