図 3.1は孤立した原子(と電子)の様子を表していた。さて、 2個の原子が近づいて相互作用するようになるとどのようになるだろうか? 相互作用することを、図 3.2のようにポテンシャルの形が変化すること で表している。相互作用している原子の場合の電子のエネルギーは僅かに 異なった2つのエネルギーに分裂する。
固体中では無限と言って良いほど多数の原子が相互作用しており、エネルギーは 多数に(離散的に)分裂する。ただし、そのエネルギー差は非常に小さいので、 ある範囲でほとんど連続と考えて良いエネルギーのバンド構造ができる。バンド の中には完全に電子が詰まっているバンド、電子が全く入っていないバンド、 電子によって一部分満たされているバンドが考えられる。 これらの違いが物質の電気伝導度の違いをもたらす。