やっていること ― 研究内容 ―

素粒子実験に関連した研究を行っています

International Linear Collider(ILC)に関する研究開発

ILCとは、次世代の電子陽電子衝突型加速器であり、2020年代の実験開始を目指して、
世界中の科学者が共同で研究開発を続けています。全長30kmの直線トンネルの中にた
くさんの超伝導加速空洞を一直線上に並べて、250GeVを超える衝突エネルギーで電子
と陽電子を衝突させます。その結果、ヒッグス粒子やトップクォークの精密測定が可
能となるとともに、現在の素粒子の標準理論を超える新しい理論が予言する粒子の発
見が期待されています。
素粒子実験研究室では、ILCで用いられる中央飛跡検出器(LC-TPC)の開発を世界中の研
究者と共同で行うとともに、ILCでの観測が期待される物理現象の研究を行っています。

Micro Pattern Gas Detector(MPGD)を用いた荷電粒子検出器の研究開発

MPGDとは微細構造の電子増幅機構によるガス検出器である。電子によるガス増幅を
微細構造部で行うことで、増幅電子の拡散が少なくなり、非常に高精度で位置測定
が可能です。様々な種類のMPGDがありますが、素粒子実験研究室ではGas Electron
Multiplier(GEM)を用いた荷電粒子検出器の開発、特にGEM-TPC(Time Projection
Chamber)の研究開発を行っています。
また、2017年より絶縁体に低温焼結セラミックス(LTCC)を用いたGEM
(LTCC-GEM)の実機への搭載を目指して研究開発を始めました。