SEMINAR

二間瀬 敏史(東北大学)

重力が光を曲げる現象を利用して天体の質量分布を探るのが重力レンズ研究です。重力レンズには複数のレンズ像を作る強いレンズと、背景銀河像に微小な変化しか及ぼさない弱い重力レンズがありますが、宇宙の大多数の領域では重力は弱く、弱い重力レンズしか引き起こしません。したがって弱い重力レンズは宇宙の大部分の領域での質量分布の情報を得る唯一の手段です。このため弱い重力レンズは、暗黒物質、暗黒エネルギーの重要な研究手段となっています。講義では弱い重力レンズの初歩的な入門から始めて、銀河団に対する具体的な観測、観測結果から得られる暗黒物質への制限などについてお話しします。また、ジェームスウェッブ宇宙望遠鏡による弱い重力レンズ研究についても触れます。

2023年9月11日 (月曜) 15:00-
場所:31号館 501教室

問い合わせ先: 理学科物理学コース 井上 開輝