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初期宇宙の成り立ちに係わるゲージ理論を量子シミュレーションで解明へ 

[ニュース] 2017年05月23日

近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)理学科物理学コース准教授の笠松健一(かさまつけんいち)、同コース教授の松居哲生(まついてつお)らの研究グループは、初期宇宙の成り立ちに係わるゲージ理論※1 を解明するため、それをモデル化したゲージヒッグス模型を模擬実験(量子シミュレーション※2)する方法を世界で初めて提案しました。本件に関する論文が、平成29年(2017年)5月18日(木)、アメリカ物理学会の発行する学術雑誌"PHYSICAL REVIEW D"に掲載されました。

※1 ゲージ理論…ゲージ変換と呼ばれる操作に対して、観測結果が何も変わらない理論のこと。「ゲージ」とは時間や空間方向の物差しの尺度を表す言葉で、例えば、電磁気学に出てくる電荷を測る物差しは、尺度にどんなものを用いても電荷の値が変わらないことを意味します。また、尺度を変えることがゲージ変換に対応します。素粒子間にはたらく基本的な相互作用を記述する理論は、すべてゲージ理論です。

※2 量子シミュレーション…現実の世界や物質は多数の微小粒子が集まってできています。物質が示す性質を理解するには、力を及ぼしながら存在するこれらの粒子の振る舞いを、量子力学を使って調べる必要があり、これは非常に難しい問題です。量子シミュレーションとは、このような微小粒子がたくさんある現実の物質の代わりに、人間がコントロールし易く、本物に似せた別の物質状態を実験的に作り、そこで興味がある現象を調べることを指します。これによって、現在なされているゲージ理論や強相関電子系の計算機シミュレーションでは解明が困難な研究領域を補い、新たな知見を与えると期待されています。

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